新潟県

地底に広がる太古の水を、新潟のちからに。

よくあるご質問

Q なぜ、新潟で天然ガスがとれるの?

石油や天然ガスは太古の生物の遺骸である有機物が、地下の深い所で熟成し、石油や天然ガスが貯まる層(貯留層)に時間をかけ移動・集積します。この貯留層は堆積盆地と呼ばれる堆積物が厚く溜まっている地域に存在します。新潟は日本でも有数の堆積盆地を形成し石油・天然ガスが存在する地域です。

Q かん水ってなに?

数十万年前の地層に閉じ込められた太古の海水のことで、新潟市においては主に地下約500~1,000mに存在します。その「かん水」から貴重な資源である天然ガスとヨウ素を製造しています。また天然ガスは地中に埋もれた有機物が微生物によって分解されて生成し、ヨウ素は海藻などやそれを食した生物が地下に沈み、地球の地下熱で還元的分解を受け生成したものと考えられています。

Q かん水は地下の一部に留まって存在しているの? それとも流れているの?

礫(れき)と言われる小さな石の層の隙間に滞留している水で、川のように流れているわけではありません。

かん水

Q かん水の中にはどれだけの天然ガス・ヨウ素が含まれているの?

新潟ガス田では、天然ガスはかん水1立方メートル(=1トン)あたり1~1.7立方メートル、ヨウ素は約40~60g含まれています。なお、ヨウ素は海水には0.05gしか含まれておらず、800倍の違いがあります。

Q かん水を汲み上げることで地盤沈下は起きないの?

技術的に確立された全量還元方式での生産を行い、汲み上げたかん水は天然ガスとヨウ素を取り出した後、全量を地下に戻して地盤沈下への対策をしています。

地下の圧力バランスに配慮して生産を行っています。
地下の圧力バランスに配慮して生産を行っています

新潟市内における地盤沈下の状況
昭和30年代には、汲み上げたかん水を地下に戻さず、川などに放流していました。そのため地中の圧力バランスが乱れ、地盤沈下の原因となってしまいました。昭和48年の鉱業用水溶性天然ガス生産の全量還元方式の導入のほか、行政機関による自家用天然ガス採取規制など様々な地下水総合規制対策の結果、一部の地域では沈下の傾向が継続していますが、昭和30年代と比較すると全体的に沈静化していると考えています。

新潟市周辺の地盤の沈下量
新潟市周辺の地盤の沈下量 行政機関により水準点の変動量が測定され、毎年「新潟平野の地盤沈下(新潟県県民生活・環境部)」が公表されています。グラフは昭和30年代から近年まで公表された新潟市周辺の水準点の年間変動量を元に作成しました。
水準点位置図
水準点位置図 ※出所『新潟地域地盤沈下機構解明調査報告書(新潟県)P19』を元に作成し、色マークの地点データを使用しています。

Q どうやって井戸を掘るの?

高さ約40メートルのヤグラを立て、30メートルほどのパイプの先端に掘削用ドリルを付け、パイプを継ぎ足しながら井戸を掘ります。

掘削の風景
掘削の風景

Q どうやってかん水から天然ガスを取り出すの?

地下では圧力があるために、天然ガスはかん水に溶けた状態で存在します。地上に近づくにつれて圧力が低下するため、地上ではかん水からガスが自然に分離します。

Q どうやってかん水からヨウ素を取り出すの?

ヨウ素の気化しやすい特性を利用したブローイングアウト法という特殊な製法により、かん水に含まれているヨウ素を濃縮し、結晶化させてヨウ素を取り出し、さらに溶解したうえで精製して製品化します。

Q 水溶性天然ガスはなにからできているの?

新潟ガス田から産出される水溶性天然ガスは、メタンが約97%を占め、一酸化炭素や硫黄分等をほとんど含まないクリーンエネルギーです。都市ガス等に広く利用されています。

Q 井戸はどこでも掘っていいの?

まず、天然ガスを開発するためには鉱業法において定められた鉱業権という権利が必要です。また、鉱業権に加えて、さまざまな基準を満たさなければなりませんので、どこでも掘れるわけではありません。

Q 新潟で採れる水溶性天然ガスと海外から輸入している天然ガスLNGの違いはなに? 家庭で使っている都市ガスとはどう違うの?

LNG(液化天然ガス)は、製造する国や地域によって組成がことなります。それに対して新潟県産水溶性天然ガスの主な成分はメタンです。都市ガス会社では、この天然ガスの熱量を調整し、付臭剤を添加した後に、皆様のご家庭に供給されています。

Q 水溶性天然ガスは千葉と新潟以外では取れないの?

千葉県、新潟県以外では宮崎県、沖縄県でも取れます。

Q いつから新潟で水溶性天然ガスの開発をおこなっているの?

昭和18年に水溶性天然ガス開発が開始されました。